【開催報告】「レーザーが切り拓く、ここまで来たAdditive Manufacturing」 航空宇宙から医療まで―最新AM動向と次世代材料・プロセス|2026年3月24日開催報告
2026年6月25日
NPO法人日本フォトニクス協議会JPC関西
JPC関西講演会 「レーザーが切り拓く、ここまで来たAdditive Manufacturing」
航空宇宙から医療まで―最新AM動向と次世代材料・プロセス
■2026年3月24日(火) 13:30~16:45 情報交換会 17:00~18:30
■会場:大阪産業創造館 6階会議室E
Additive Manufacturing(AM)は、試作技術の域を超え、いまや設計思想・生産プロセス・産業構造そのものを変革する中核技術へと進化しました。材料科学、加工プロセス、装置性能、さらにはデジタル技術との融合により、「作れなかったものが作れる」「作り方そのものを再定義する」段階に到達しています。
本講演会では、「ここまで来た Additive Manufacturing」という視点のもと、AMが現在どこまで進展し、何が実用段階に入り、次に何が起ころうとしているのかを多角的に議論します。研究、設計、製造、デジタルの各領域が交差する現在、AMは単なる加工技術ではなく、競争力を生む戦略技術としての意味を持ち始めています。本講演会が、AMの「現在地」を正しく理解し、次の一手を考える機会となることを期待しています。

▲JPC関西副支部長 豊田周平
基調講演: 「AMによる形状・材質制御とレーザAMによる医療デバイスへの応用」
中野貴由教授 大阪大学 大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻
基調講演では、大阪大学中野貴由教授よりAdditive Manufacturing(以降AM)についての意義(GX、時間短縮、付加価値化)や国内での取り組み、加工の方式、市場の状況や大阪大学の国内初となる国立大学研究センター開設についてお話しいただき、現在研究されている異方性素材による高機能材料の研究についてお話しいただきました。研究の中では3次元金属AMシステムによって、形状と材質の制御が可能になることで、これまでの製法では実現できなかった製品を実現できる内容について詳細なデータを示しながらお話しいただきました。

▲大阪大学 中野貴由教授
講演1: 「レーザーが変えるものづくりの未来=熱と光を操り、3Dプリンティングの品質・コスト・スピードを進化させる =」
水沼憲一氏 株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ 代表取締役社長
井上桂氏 株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ 営業統括部担当課長
■株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ https://www.nttdata-xam.com/
■資本金: 4.9億円
■事業内容 :AM関連ハードウェア・ソフトウェアの販売・保守、AM技術を活用した量産品の開発支援と受託製造、古物営業法に基づく古物商(古物商番号:東京都公安委員会 第301102416107号)
講演1では、株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ水沼憲一様より、社内で行われている実例を示しながらAM装置によって製造プロセスのデジタル情報(造形パラメータ、センサー情報、粉末床画像)よる品質管理(トレーザビリティ、再現性)、それに伴うサプライチェーンの変革の可能性について、また、AMの国内市場は未だ投資が必要な状況であり、使用されるさまざまな業界では取り組む内容があり、このような状況に対して取り組むデジタルQMSについてお話しいただきました。また、井上桂様より、使用されていますEOS社製AM装置の特長の「光学制御、熱管理、データ駆動型制御」について説明いただきました。

▲水沼憲一氏(株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ)

▲井上桂氏(株式会社NTTデータ ザムテクノロジーズ)
講演2: 「金属AMによる製造革新」
廣野陽子氏 DMG森精機株式会社 執行役員 兼 DMG森精機Additive株式会社 副社長
■DMG森精機株式会社 https://www.dmgmori.co.jp/
■資本金:71,804百万円
■事業内容:工作機械(5軸加工機、複合加工機、横形・立形マシニングセンタ、ターニングセンタ、グラインディングセンタ、ボーリングマシン、アディティブ・マニュファクチャリング機及びその他の製品)、ソフトウェア(ユーザーインタフェース、テクノロジーサイクル、組込ソフトウェア等)、計測装置他周辺装置、MRO(メンテナンス・リペア・オーバーホール)、スペアパーツ、エンジニアリング等トータルソリューションの提供
講演2ではDMG森精機株式会社廣野陽子様より、AMの方式であるSLM方式とDED方式の違いについて説明いただいた。SLM方式については、DMG森精機製品に採用されたパーツの実例を示しながら設計時の要点やAM用設計ソフトについてトータルソリューション提案・多面取りによるコスト低減の実例を示していただいた。DED方式については、バイメタル積層による利点や特長を生かした製品実例や金型補修、ロータリーダイ・ポンプシャフト生産についてリードタイムや労働時間低減効果をしめしていただいた。また、装置には加工状況のモニタリング機能として「AMアシスタント」が組み込まれており、これによる安定生産実現について説明いただきました。

▲廣野陽子氏(DMG森精機株式会社)
情報交換会: 17:00-18:30 大阪産業創造館 6階会議室E
情報交換会では、同会場にて実施いたしました。
冒頭、大阪大学中野貴由教授より乾杯の挨拶をいただき、短時間ではありますが、講演会場にて軽食をつまみながら参加者同士で情報交換を行っていただきました。最後に、JPC関西副支部長豊田より終わりの挨拶にて終了いたしました。
今回お話しいただきました三講演とも、非常に多くの資料を基に時間いっぱい話題を提供いただいたため、参加者もAMについて現在位置と将来の可能性について理解も深まったと思います。期末のお忙しい時期にもかかわらずご講演いただきました講師各位、協賛団体様にご尽力、ご支援いただきまして無事開催することができました。報告と共に、感謝申し上げます。
参加状況
・講演会 参加36名(講演者関係者含む)
・情報交換会 参加26名(講演者関係者含む)
以上










