【開催報告】「JPC関西 10周年記念シンポジウム(2023年7月19日)」開催報告
2023年8月2日
NPO法人日本フォトニクス協議会 JPC関西
「JPC関西 10周年記念シンポジウム」開催報告
〜化合物半導体を用いた光・電子デバイスの10年・そして将来〜
2023年7月19日13:30~16:30 マイドームおおさか8F(第3会議室)
JPC関西は10年目を迎えることとなり10年の節目にJPC関西特別顧問で2014年にノーベル物理学賞を受賞された名古屋大学の天野 浩先生をお招きして、7月19日(水)に「JPC関西10周年記念シンポジウム〜化合物半導体を用いた光・電子デバイスの10年・そして将来〜」を開催いたしました。
今回のシンポジウムは、5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」に移行したこともあり、昨年に引き続きリアル講演会とさせていただくとともに、昨年は開催できなかったJPC関西恒例の情報交換会も今年は開催することができました。また今回のシンポジウムではシルバースポンサーとして株式会社片岡製作所様、株式会社大興製作所様、ブロンズスポンサーとして地球環境と産業化研究会様、豊田産業株式会社様、山本光学株式会社様にご協賛いただきました。
▲会場の様子
開会の挨拶として中井支部長より、天野先生がJPC関西の特別顧問でありこれまでに設立記念講演会やノーベル賞受賞記念講演会などにもご参加いただいていることの紹介がありました。そして光・レーザー技術が開く未来には医、食、住があり、医には量子ビーム治療や光センサー、食には植物工場があり住はインフラ・ものづくりに変化しており、そのほかにもVR・AI・サイバーといった情報分野やレーザー核融合をはじめとしたエネルギー分野への適用が期待されており、このようなすべての分野の基盤技術なるのが光半導体、パワー半導体、光の制御であることが述べられました。
▲開会の挨拶(中井支部長)
最初に名城大学の上山教授より『カーボンニュートラルに向けた可視光半導体レーザー技術ロードマップ』のご講演をいただきました。発展が期待される可視光半導体レーザー技術の6つの応用分野としてレーザー照明、レーザーディスプレイ、可視光通信、レーザー支援農業、レーザー給電、レーザー加工の各分野および応用を支える半導体レーザー技術として量子殻レーザーについての紹介や技術ロードマップについてご紹介いただきました。
▲名城大学 上山 智 教授
2番目に日亜化学株式会社の八木様より『半導体レーザーこの10年の進展〜主に応用の観点から〜』についてご講演をいただきました。可視光半導体レーザーの状況、市場、応用についての話題に加えて通信・データーセンター用半導体レーザーの方向性としてのシリコンフォトニクスの例や加工用半導体レーザーとその応用についてご紹介いただきました。
▲日亜化学株式会社 八木 哲哉 氏
3番目に株式会社片岡製作所の西様より『青色レーザを用いた異種金属溶接』についてご講演いただきました。研究の背景から近赤外レーザによる溶接、青色と近赤外のハイブリッドレーザ溶接や最新の研究テーマであるインサート材を利用した溶接についてご紹介いただきました。
▲株式会社片岡製作所 西 則男 氏
最後に特別講演として名古屋大学の天野教授から『窒化物半導体への取り組み〜これまでの10 年と未来社会での役割〜』についてご講演をいただきました。GaN研究の原動力から最新の3色LEDの研究や紫外線発生素子、そして様々応用が期待される深紫外LDについてご紹介いただきました。
▲JPC関西特別顧問 名古屋大学 天野 浩 教授
今回のシンポジウムの参加者は70名を超え、約5割は一般企業・団体からご参加をいただきました。参加者からのアンケートでは天野先生をはじめとするそれぞれの講演に対しても高い満足度が得られた結果となりました。また今後の講演会やセミナー等での希望される内容・テーマのアンケート結果につきましては今後のJPC関西の活動指針の参考にさせていただきます。
▲質疑応答の様子
最後に、今回のシンポジウムは概ね大きな問題もなく無事に終えることができました。シンポジウムをリアル開催できたことのみならず昨年は開催できなかった情報交換会を開催できたことから、本シンポジウムは成功を収めたものと確信しております。引き続き皆様からのご支援を宜しくお願い致します。